少年アヤちゃん焦心日記

著者 :
  • 河出書房新社 (2014年7月15日発売)
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本棚登録 : 262
感想 : 34
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アイドルにはまってて占いに依存して物質依存でオカマで機能不全家庭出身でアート系?で物書き?で……と、いろいろ濃いアヤちゃんの日記。
日記という体裁のエッセイとか評論とも見える。
ジェンダーとかアイデンティティとかマジョリティの鈍さとかの傷がわかりすぎて、思いのほか、どストライク。

最初の数ページを読んで、これはちょっとやめとこうかなと思った。
痛いし攻撃的だし、いかにも関わりたくない感じだし。なのにむさぼるように読んでしまった。
なんなのこの吸引力は。

叩かれ上等な文章なのに投げやりな印象がないのは自分を捨てていないからなのかな。
捨てない、というより捨てられない。
欺瞞に浸りきれずに、依存する自分を離れたところから観察している。
好きなものだって「ただ好き」では居られなくて、なぜ己はこれを欲するのかと分析せずにはいられない。

頭いいんだろうなあ。
頭の良さに救われている部分と、救われていない部分と、両方あるんだと思う。
一見、野ばらちゃん系だけど雨宮処凛のバンギャもののが近いかな。
処凛さんみたいに、闘える居場所を見つけたらすごい強くなりそう。
この人を見ていたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 同性愛・バイセクシャル
感想投稿日 : 2015年2月17日
読了日 : 2015年2月14日
本棚登録日 : 2015年2月15日

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