さびしいまる、くるしいまる。 (角川文庫 な 34-11)

著者 :
  • KADOKAWA (2006年2月1日発売)
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本棚登録 : 174
感想 : 22

ゲイ相手のノンケのウリセン。確かに。


別の本での下記セリフもかなり衝撃でした。


この話(「ミニスカ―トを履いてるのは、男に見せる為なんだから、太ももくらい触ったっていいだろう」と言われた)を聞いて、男性の理屈を正しいと感じた貴君は、たとえば自分がブティックで一目惚れして買ったお洒落なショートパンツを穿いていたら隣に座ったホモに太ももをなでられた、という場面を想像していただきたい。
世の中には男の身体に欲情する同性愛者が存在するという事実を知っていながら無防備にショートパンツなんか穿いてる自分が悪いのだ、と、はたしてあなたは思えるか。思えないのなら、ミニスカートを穿いてる女の理屈も理解していただけよう。

「ノリちゃんから奪った純情を、ホストはどうしたのかしらねぇ?」
 「ゴミ箱に捨てたんじゃない?ホストは女の純情なんか欲しくないんだもん、。あいつが欲しいのは、金。だけど、女は金を純情でラッピングして捧げるから、仕方なくラッピングごと受け取るのさ。で、純情をベリベリと剥がしてゴミ箱に捨てて、中の金だけ懐に入れる。プレゼントの包み紙を捨てて、中身だけ、いただくようにね。何が悪いの?皆、そうしてるじゃない?」」

この世界が用意するのが、思考停止のハッピーエンドだ。静かな諦観とともに人生を受け入れ、無為な戦いを放棄する。

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感想投稿日 : 2013年7月29日
本棚登録日 : 2013年7月29日

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