「通貨」はこれからどうなるのか (PHPビジネス新書)

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  • PHP研究所 (2012年4月19日発売)
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感想 : 22
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前作と続けて読了。
なるほど。ドルとユーロの価値が当分戻ることはないのかなと、ちょっと諦めついたかな(笑)。印象に残ったところをメモ。
◎経済の実態がものすごい勢いで変化しているのに(経験したことのない状況)、その体制的な枠組みが旧態依然、ということかなと。(例示2つ)
●国の経済運営において、第一レスキュー隊が財政、第二レスキュー隊が中央銀行。中央銀行は伝家の宝刀的存在で、滅多に大出動してはいけない。ところが、今は中央銀行が、唯一のレスキュー隊と化しつつある(自らわが身の健全性を脅かしつつ)。
要因は第一にグローバル時代になっていること、第二にそれにもかかわらず国民経済単位で従来型の均衡と成長を目指そうとしているから。→国境を越えて発生する諸問題のスケールが大き過ぎ(国家単位では対処不能)。
●租税体系についても。
租税体系を見れば、その国の発展段階や経済的成熟度が分かるはず。ところが、今の日本の租税体系から、日本経済の今日的姿を正しくイメージすることは難しい状況。→租税体系が、経済の到達度に整合していない。
◎アメリカの最後の背伸び
1990年代後半からの金融業の発展企図
→2008リーマンショック
◎単一通貨が成立する要件2つ
・経済実態の完全収斂
・中央所得再分配装置の存在
→ユーロの存続は難しい。
(スペイン、ギリシャ、ポルトガル)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 金融・ビジネス・経済
感想投稿日 : 2012年5月27日
読了日 : 2012年5月26日
本棚登録日 : 2012年5月26日

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