Stevie: Instrumental Tribute to Stevie Wonder
- Stones Throw (2004年4月23日発売)
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感想 : 2件
★★★★☆
覆面ミュージシャンたちによる煙いジャズバンド…でなく、すべてMadlibによる演奏(らしい)似非ジャズプロジェクトの一枚。
何と全曲スティービー・ワンダーのインストゥルメンタルカバー曲で、拙くスカスカな演奏ながら原曲のエモーショナルを解体して、新たな楽曲に構成している。ほんとにスカスカな演奏で、ドラムス、ベース、主旋律を弾くローズピアノ、キーボード類とハンドクラップ、僅かなサンプル、それだけでほぼ楽曲が構成されている。特にローズピアノの拙さはわざとやっているとしか思えなくて、原曲のいわゆる脱構築に大きく貢献している。解体され尽くしたスティービーのソウルの残骸に何が残るのか?
個人的にはイージーリスニングのように聞こえる。寝る前に聴くとか、何かをしている時のBGMとか、そういうものにしたいような雰囲気。Madlibが引き出したかったスティービーの本質はリラクゼーションミュージックとしての側面だったのか?それは聴き手の解釈に委ねられているであろう所が面白い一枚。
個人的にこういったメロディの綺麗な曲のインストものというのは好きで、日本のポップスのマキシに入っているカラオケバージョンをわざわざ聴いているような好事家なので、こういった試みは楽しい。原曲も聴いてみたくなる。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
jazz
- 感想投稿日 : 2011年9月11日
- 読了日 : 2011年9月11日
- 本棚登録日 : 2011年9月11日
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