当時理系学生の私は、自分なりに抱いていたのテクノロジーへの信頼感が瓦解したショックもあり、当時多分大勢の方が目にしたはずの写真週刊誌の悲惨な遺体写真を敢えて見ませんでした。,,しかし、最近になってこの著作の存在を知り、,「興味本位でなく、生と死について考えられる人ならば読んでおいて損はない」とう書評に背中を押されて手に取りました。,(全く興味本位でないというと嘘になりますが…),,3分の1程度進んだところで、検死場の修羅場の極みが描かれます。,・有事に為に訓練され、準備をしてきた人々の頼もしさ,・むご過ぎる遺体を前に検視関係者が全員涙を流してしまうシーン,・日赤の看護士たちの心遣い。,・決して、日航側が用意した弁当に手をつけない信念,(ただし、脱水症状を防ぐため、飲み物は別。ここがリアルです),,しかし、彼らの感傷にひたる時間は僅かで、遺体を遺族へ引渡す執念へといやおうなく駆り立てられていきます。,,日本人独特の死生観とともに、興味深いのが極限まで疲弊した組織体の運営ですね。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
本・雑誌
- 感想投稿日 : 2018年10月29日
- 読了日 : 2009年9月25日
- 本棚登録日 : 2018年10月29日
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