シリーズ5冊目。今年3月に出た本でようやくここで追いついた。
第一話はほとんど「小川町和紙体験学習センター」と「東秩父村和紙の里」の紹介みたいな章。ネットで写真も見ながら読む。
サークルの遠足の中でメンバーのキャラは知れてくるが、二作目に出てきた美濃の紙漉きの二番煎じみたいで、お話としては物足りない。
和紙の里で漉いた葉書が後日届いて、皆でああだこうだ言うものと思っていたが、それもなく。
第二話は料紙、染め紙と墨流しの話。こちらも「西本願寺本三十六人家集」など調べながら読むが、ここらの知識を深めたくてこの本を読んでいるわけではないのでねぇ。
第三話は大学祭があって、閉館の準備をして、お正月に飯田に行って、楮かしぎに、記念館の最後のワークショップに硯の石紋と、駆け足でなんだか忙しい。
2つの話には『ものづくりをしている人の姿、ものに宿った手の跡に心惹かれる』とか『身体を使うとき、心は自分を超えてはるか遠いところまで広がっていく』など、いい感じのことが書いてあると思うのだけど、物語としてそれが深まらず。
そして終わりには新型コロナウイルスが登場して、あの時はあんな風に何かの区切りを迎えた人も多かっただろうしその無念な感じはよく分かるのだが、このお話にわざわざこの話題を入れるかなぁ。
これからの話の展開に思うところがあるのか、この先どういう話になっていくのだろうか…。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
2022年読んだ本
- 感想投稿日 : 2022年7月11日
- 読了日 : 2022年7月10日
- 本棚登録日 : 2022年7月11日
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