夏休み、さて何を読もうかと各社の夏のキャンペーンの小冊子を貰って帰って考える。
今年は角川のフェアに惹かれるものが多く3冊注文、その内の3冊目。夏休みに読み切れず今頃読了。
作者は私より2つ年下で、丁度その作者が歩んできた時代を舞台に、全編をノートや手紙、FAXの文章で構成した物語。
今ならば、さしずめメールかラインのやり取りとなるのでしょう。その頃でもこんなに手紙は書かないと思うけど、まあ、いいや。
端々に出てくる小道具はその時代を良く表しており、そこのところは同じ年頃に同じ時代を過ごした者としてくすぐられる。
普通にかわいくてまあまあ頭も良くてエレクトーンが弾けて男子に対しては控えめでという悦子を中心に友人・優子と多少気になる男の子・宏の高校時代から大学、社会人となって結婚と離婚あたりまでが描かれる。当時ありがちな女性が歩んだありがちな人生を語り方の妙で読ませたという感じ。
この作者には「ツ、イ、ラ、ク」という傑作があり、あの切なさにはとても及ばないけれど、こちらも私らが若かった頃の恋愛を語って結構機微なところを突いているなぁと思った。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
2015年読んだ本
- 感想投稿日 : 2015年8月22日
- 読了日 : 2015年8月19日
- 本棚登録日 : 2015年8月22日
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