<南アルプス山岳救助隊K-9>シリーズの9冊目。
巻頭に北岳付近の地図がないと思ったら今度も山から離れてのアクションか。
「クリムゾンの疾走」に出て来た大柴が再び登場。本庁から南アルプス署で拘留中の窃盗被疑者の移送を命じられた大柴が事件に巻き込まれ、一方、休暇で山を下りていた静奈がそれを知りバロンとともに現場へ向かうという展開。
大柴は飛び来る銃弾を間一髪でかわし続け、静奈は一足遅れを繰り返し、ようやく追いついてからは車を捨てて山を縦走する逃避行。追手は後ろから前から上からと、来るわ来るわ。それをひとりずつ屠っていく静奈の強いこと強いこと。
テンポよくサクサクと読めたが、話としてはちょっと雑。
幹線道路を閉鎖したり、バスの運転手が巻き添えで亡くなったり、主人が匿ってくれた家で奥さんが警察に通報したり、あれだけ市民を巻き込んでおいて何もなかったことにされているというのも、フィクションなりのリアリティに欠ける。
「クリムゾンの疾走」の感想に『このシリーズでは北岳で犬たちが活躍する話を読みたいね』と書いたが、今回は尚更にそう思った。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
2023年読んだ本
- 感想投稿日 : 2023年5月21日
- 読了日 : 2023年5月19日
- 本棚登録日 : 2023年5月21日
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