「言葉の園のお菓子番」の2冊目。
仕事が忙しくて、主な読書時間たる通勤電車の中でも目を瞑って頭を休ませたい感じで、なかなか本読みが進まずだったが、ゆるゆると進むこのお話は今の状況にはちょうど良かったかも。
今回も連句会を中心に、一葉が用意するお菓子やお茶、彼女の仕事(ポップの仕事に加えてブックカフェで働くことになった)をはじめとしてあれやこれやが語られる。
前作でも紹介されているとはいえ、正直誰が誰やら分からなかった連句会のメンバーだったが、萌さん、蛍さん(+妹の海月さん)、蒼子さん、直也さん、それぞれ印象的な出来事が描かれて、ようやく個性も分かってきた。ゲストみたいなベテラン歌人の久子さんや睡月さんのアクの強さもアクセント。捌きの航人さんのエピソードには、治子おばあちゃんが集まりの中で果たした大事な役割も知れる。
毎度手を変え品を変え同じような話を読まされているような気もするが、それでもこの作者のお話はとても良い。
亡き人がとなりに座る花の席
人々の心を照らし月静か
その人のぬくもりといる花の夜
今日はかつて一緒に仕事をしていた人たちとの会食の日で、コロナ禍で4年の間が開いていたのだが、この間に亡くなった人あり体調がすぐれず来れなかった人もあり。
かつての思い出に、これらの句がしんみりと心に沁みる歳になってしまったな。
ヒトツバタゴを画像検索して、これは見てみたいと思った。
うちの近くでは鶴見緑地や長居植物園、大阪城にも植わっているようだが、満開になるのは5月上旬頃だそうで、まだ先だ。覚えておけるかなあ。
- 感想投稿日 : 2023年11月11日
- 読了日 : 2023年11月9日
- 本棚登録日 : 2023年11月11日
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