現代思想の冒険者たち 26

著者 :
  • 講談社 (1996年6月1日発売)
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人間の世界には、意味が見いだせない空白や空洞がいくらでもある。けっして、この世は、意味ある行為や言葉で充満しているわけではない。むしろ、人間が、得手勝手に作りあげた事柄が存在するだけである。現実に存在しているものは、もとからそのような意味あいで見られてきたものなのか。いや、かつては現在とはまったく違ったものとして考えられていたのではないのか。誰もが信じている一本の筋道などというものは存在しない。真理、真相は、どの時代の、どの状況なのかによってそれぞれ異なる。人間の歴史は、穴だらけ、空白だらけである。(p292)

「長いこと、人々は、私に、何が起こるのか説明してくれとか、将来のためのプログラムを与えてほしいとか要求してきました。だが、私たちがよく知っているように、どれほど意図が優れていようとも、こうしたプログラムは、常に抑圧の道具や手段になってしまうのです。(…)」(p295)
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感想投稿日 : 2013年6月5日
読了日 : 2013年6月4日
本棚登録日 : 2013年6月4日

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