高校の頃と大学の最初に、何の基本も知らずに読んでいたものをより深く理解するために。いくつもの全く思いもしなかったことと、あぁ自分の読み方は正しかったんだということがあり、悪くない読書だった。あの頃にどう読んでいたのか、つまびらかには思い出せないけれど、強烈に覚えていることもある。『超人思想』と「これって聖書のパロディなのかな?」ってことだ。あとは、読みながらほのかに覚えていたことをぽろぽろと思い出した。
半端な読みにも関わらず、俺が最初に読んだ頃から超人思想やいくつもの言葉に引き摺られて生きてきたのは、俺の影響されやすさだけの問題ではない。今の俺の志、考え方、行動に明らかに直結しているのだから。それだけ、ニーチェの言う『血で書かれた文章』の力は燃えている。
俺の教養不足だけでなく、この時代に生まれた凡人にはこのような地図が必要だと思う。執筆以前の必須教養とその時代にされていた思考や思想、それらを確かに掌握していなければニーチェの意図にはたどり着けない。その時の思想や本まで書いてくれているこの本は、その意味でも大きな仕事だと思う。そして以前から興味のあったゾロアスター教についての本や、ダンテの『神曲』を改めて読む気にさせてくれたという点でも、俺にとっては良かった。ツァラトゥストラ自体を読んでから、また読んでみようと思う。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年4月16日
- 読了日 : 2013年4月16日
- 本棚登録日 : 2013年4月15日
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