二木先生の医療経済学・政策学の研究の視点とこれまでの研究法や勉強法や資料集めを含めた自伝的な著作。経済学に疎くてよく知らなかったのだが、医療経済学には新古典派と制度派があるということ、米国は新古典派、私の理解で言うと医療は市場経済に任せようという考えが主流であるも、日本や欧州など公的制度がある程度に整っている国では役に立たないということ。ただ医療制度や政策を見る場合、その背後をみれば将来予測が立つとのことで、それを二木先生は研究されているわけであるが、背後を視るには日々の学びが必要であることは論をまたない。そのための二木先生の医学生時代からの勉強であるが、とうてい真似ができるものではないが、少し爪の垢程度でも真似ができるとしたら、読書ノートをつけるくらいか。在野の研究者として出発した御苦労の程はよくわかり、一介の年をとった臨床家としては、若い時にこの本に出会っていたらと思う。お勧め本など紹介されており、引き続き勉強するにはガイドブック的に使えるが、お勧め本も膨大にあるので、残された時間で選択して読んでいくしかないなと思う読後感であった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
メディカル
- 感想投稿日 : 2016年6月19日
- 読了日 : 2016年6月19日
- 本棚登録日 : 2016年6月19日
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