綿矢りさ、好き。
解説者曰く、感覚が鋭い。確かにそうだと思う。冷えたにな川の部屋からベランダに出るシーン。夏だと思った。鮮やかで爽やかな夏ではなく、だらっとした夏。季節をこんな風にかけるのって羨ましいなあ。
にな川が気づいていないはずないのに、なんで蹴られたことを確かめないのだろう。自分の世界に関係ないから?
長谷川はクラスに馴染めない。馴染もうとしない。自分の高校時代を振り返ると、長谷川ほどではなかったけどこんな日、こんな時期もあった。人間の趣味が良い、という皮肉。もやもやするけど、鬱屈とした精神はあの頃にしか経験できなかったのかと思うと懐かしい。気高いのかな。実際自分が長谷川の状況ならかなり苦しいとは思うけれど、なにか惹かれるところがある。
追記
長谷川は蜷川のことを「にな川」と認識している。漢字を知らない、覚えようとしない、というところには長谷川の幼さが現れているのだろうか
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年3月7日
- 読了日 : 2024年3月7日
- 本棚登録日 : 2024年3月7日
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