みなさん、さようなら

著者 :
  • 幻冬舎 (2007年11月1日発売)
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本棚登録 : 331
感想 : 81
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「団地内ひきこもり」悟くんのお話。悟が団地の敷地より外に行けなくなってしまったのにはショッキングな理由があるのだけど、それにしても「団地内ひきこもり」という設定だけど全く悲愴感がない。これはきっと、ストーリーテラーでもある主人公・悟の性質に大きく起因してるんだろうなぁ。深く物事考えすぎず、物怖じせず、そんな性格だからかフットワークが軽い。人間関係においても、変に自分自身に後ろめたさを感じていないせいか、同級生とも普通に接するし、団地の住人とも関わるし。このあっけらかんさ、私も見習いたい。

印象に残ってるのは、マリアの話とヒーさんの話。私がつい思いを馳せてしまうのは、このヒーさんです。悟視点で語られるこのお話には、あんまりヒーさん出てこないし、もちろんヒーさん自身の心情が語られることもない。でもだからこそ、最後の数Pを読んだ時、彼女が一体どんな気持ちでこれまで悟のことを見守っていたのかと考えたとき、胸がジンとしてしまいました。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 文芸
感想投稿日 : 2008年11月11日
本棚登録日 : 2008年11月11日

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