視点が面白かった。
メディアや書籍でよく出てくる経営コンサル出身の冨山氏や赤羽氏の記事を引用し、
それをガシガシ否定していく。
自分もやや盲目的に彼らの意見には同意・納得していただけに、グサグサ切られながら読んだ、笑。
一方、否定された方々からすると、怒り心頭だろう。
自分の短い記事だけを引用され、一方的に否定されているのだから、感じは悪い。
どうせなら、本の中で思い切って対談して、議論してもよかったと思う。
また、よくよく本を読んでいると、著者側に一方的につくのもどうかと思ってくる。
例えば、著者と否定された方々で使っている「ベンチャー」という言葉一つとっても、
両社で定義が違っているように思えてくる。
著者は、個人(or少数)として独立した人や中小企業を立ち上げた人も含めて、ベンチャーと言っているような気がするのに対して、
否定された方々の言うベンチャーはいわゆる「スタートアップ」のことだろう。
といった感じで、あらゆるところにビッグワードの定義の統一がなされていないまま、議論が進んでいるように見えるので、
著者の意見に納得するところと「??」と思ってしまうところがある。
また、(本を読む限りは)記事だけから相手の意見を拾ってきているので、
冨山さんの他の本なども読むと、「そういう意図ではなさそうだ」というところも、やっぱり出てきてしまう。
面白い投げかけだっただけに、その点がちょっと残念だ。
やはり著者には否定した相手とディベートしてもらいたい、笑。
この本は、「どちらが正しいか?」という視点で読むより、
「一方的にどちらかの視点を信じるのではなく、
批判的に物事を見れるようになりましょう」という視点で
読み進めるのが良いのかもしれない。
- 感想投稿日 : 2020年8月21日
- 読了日 : 2020年8月20日
- 本棚登録日 : 2020年4月2日
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