サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠 (文春文庫 テ 18-1)

  • 文藝春秋 (2019年5月9日発売)
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本棚登録 : 196
感想 : 12
4

ちょっと仕事で使えそうだったので、さーっとつまみ読み。
評判通りの知的好奇心のくすぐられる良書だった。

サイロとは、会社で言えば、専門性が発達し過ぎて、
部署・部門間の連携・交流がなくなり、
結果、会社や組織が衰退してしまうという事象。
まさしく多くの企業が多かれ少なかれ、サイロに陥っていると思います。
この問題を文化人類学者である著者が分析した本。
興味深かったのは、企業がサイロ化(専門化)することを著者は否定していなかったこと。
すなわち、今のビジネスや事業を進めていく上で、
専門化は必要なことだが、交流や情報共有がなくならない
仕掛け作り・仕組みづくりが重要というスタンスに妙に納得してしまった。

最近、至る所で言われている「多様性」とも本質的には同じことかなという印象。

事例が豊富な反面、ちょっと冗長なので、
読み物として楽しむ分には良いが、
サクッと結論を知りたいせっかちさんは、
サイロ化に陥ったソニーの章と、
サイロ化を防ぐべく奮闘したFacebookno章、
そして最後の著者のまとめだけでも読むだけで、
著者の主張の大枠は理解できると思われます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年3月3日
読了日 : 2022年3月2日
本棚登録日 : 2022年2月26日

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