直感で発想 論理で検証 哲学で跳躍: 経営の知的思考

著者 :
  • 東洋経済新報社 (2020年6月26日発売)
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感想 : 11
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伊丹先生の本は今まで読んだことがなかったのですが、
期待に反してとても面白かったです。
大学の先生の書く本って何だかつまらないイメージがあって、
さらにこの人、結構なおじいちゃんなので、なおさらつまらなさそう…という偏見を持っていたのですが、
完全なる偏見でした。。すみません、伊丹先生。。

むしろ、おじいちゃんの割に表現がオシャレ。
哲学で「跳躍」って…。跳躍ってどういうことや??と思いながら、読んでいましたが、
読みながら納得。自分なら味気なく「実行」とかにしそうなところ、
「跳躍」ってオシャレ過ぎます。

本の内容に全然言及していませんでしたが、
人が「決断」するときのプロセスについて、論じた本です。
ちょうど「決断」系のよいコンテンツを探していて、手に取りました。
著者はこの決断のプロセスを過去の決断の事例から帰納的に分析しています。
違和感が全くない訳ではないですが、そこそこの納得感もあります。

ちょっと気になったのは、
・事例が古すぎる(小倉昌男とか本田宗一郎とか安藤百福とか西山弥太郎とか)。
・古すぎるが故に、今も当てはまるのか不明瞭。特に変化の激しい現代において、
昔の人のように2年も考え続けていたら、外部環境が変わってしまう。
・データの裏にあるロジックが大事という意見もその通りだが、
ロジックが不明瞭でも相関や因果が見えるビッグ・データの価値はますます上がっていくのではないか。
あたりです。
頭の良いおじいちゃんの考察なのですが、
現代でも果たして通用するのか(もちろん基本的なところは通用すると思いますが)、
それはそのうち歴史が教えてくれるのかもしれません。

面白かったので、他の書籍も読んでみたくなりました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年9月11日
読了日 : 2020年9月10日
本棚登録日 : 2020年9月7日

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