どうせ忘れる、と思わないではいられないほど、深く刺さった傷の物語。
かつて自分がそんなふうに傷を抱えたこともあったはずなのに、ずっと生きているうちに、絶対にそれだけはするまいと思っていたことを幾つも、幾つも、してしまっています。
自分が傷つける側に立ってしまったこと、そのとりかえしのつかなさ、ごめんねと謝ってもそんなの欺瞞でしかないことくらいは流石にまだ自覚があって、自分がしてきてしまったことにたじろぐばかりです。
この本を読むと、視点を傷ついた側にもう一度わずかばかりでも置くことができるように思えます。とりかえしのつかないことをしてしまった今、何ができるか、ではなく、何をしてほしかったか、をもう一度感じなおすための心の足場の一つに、なってくれるかもしれません。
だから、
登場人物と同じくらいの中高生だけでなく、中高生がそばにいる大人も、読むと響く本ではないかと思います
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
YA
- 感想投稿日 : 2019年6月24日
- 読了日 : 2019年6月24日
- 本棚登録日 : 2019年6月24日
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