オールドパンク、哄笑する: チャールズ・ブコウスキー短編集

  • ビレッジプレス (2001年6月1日発売)
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感想 : 2
4

世の中には(1割もいる)マジョリティと
(たった9割しかいない)マイノリティとがいるが
ブコウスキーの言葉はまさにマイノリティの言葉だ。
働いててるやつと公園のベンチで寝てるやつに
それほどまでに大きな差はあるのか?
微々たる賃金で労働と時間を搾取されるのは
人生の無駄ではないのか?
酒でも飲まないとやっていられない世界。
ブルーハーツが「クソッタレの世界のため」「全てののクズ共のため」に
「終わらない歌」を歌ったが
ブコウスキーはクソッタレのためにクソッタレな世界を描き出した。
思考を停止させた人々に対する苛立ちも感じられる。
自分だけが戦っているような孤独感を感じていたのではないだろうか。
またブコウスキーは言葉に対して恐ろしく誠実だ。
だからこそ辛辣に、あるいは殺伐と世界を表現したのだろう。
物語話自体が愉快だったり感動的だったりするわけじゃないけど
場面展開や言葉の使い方は独特だし
一貫した主義主張がある。
それが僕を惹きつける。
パンクとは体制・権威に対する攻撃的姿勢のことであり
マイノリティに対する共感がある。
まさにこの邦題の通り、ブコウスキーはパンクだ。
青春パンクとかほざいてるバカは
ブコウスキーを読んでパンクとは何かを学べ!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2004年10月18日
読了日 : 2004年10月18日
本棚登録日 : 2004年10月18日

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