おとぎ話のゆくえ (幻冬舎ルチル文庫 い 4-3)

著者 :
  • 幻冬舎コミックス (2010年7月15日発売)
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本棚登録 : 308
感想 : 24
5

話の内容はまさにおとぎ話というか、ちょっと浮世離れしていて、
さすがにうちみたいな田舎にも、そこまでの風習は残ってないよ、
というレベルの現実味のなさなんですが、気がつけばその現実味の
なさが妙にリアルになっていて、もしかするとそんなこともあるかも、
と思わされてしまいました。
小難しい描写もなく、淡々と読めます。
城持ち大名の子孫、若様と呼ばれる天然良い子ちゃんな受と、
全てを持たない世捨て人のような攻という、ちょっと一見どうしたって
かみ合わないような組み合わせです。
普通じゃ絶対に価値観があわなくて、交わることさえなさそうな設定
なんですが、それゆえに強烈に惹かれ合ってく様が小気味よい。

かみ合わないふたりにも、共通する孤独感を思うとき、なんだが
胸がぎゅーっと締め付けられるような気持ちになり、涙ぐみます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 一穂ミチ
感想投稿日 : 2012年3月12日
読了日 : -
本棚登録日 : 2012年3月12日

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