宇宙の孤児 (1978年) (ハヤカワ文庫―SF)

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小学生の頃に初めて読んだのは、「さまよえる大宇宙船」という題名の抄訳だったと思っていたが、調べてみると、あかね書房から出ていた「少年少女世界SF文学全集」全20巻の第17巻「さまよう都市宇宙船」(「大宇宙船」を改題)だった。小学校の図書室から借りた本の巻末にも「大宇宙船」を改題したという意味のこと書いてあった記憶があるので、間違いない。とにかくその発想の斬新さに大変な衝撃を受けた憶えがある。全訳「宇宙の孤児」を見つけて買ったのは、それから何年も経ってからだった。さらに30年以上経ったが、「第二部 常識」の結末の安直さにはあきれるものの、「第一部 大宇宙」は依然としておもしろかった。女性の扱いがひどいのには驚いたが、この作品が雑誌に発表された1941年当時も、単行本にまとめられた1963年当時も、そんなものだったのだろうか。(万有引力の法則は)「昔の人が、愛情というものを司る親近性の法則を説明するのに使った詩的な言いまわしなんだ。そこにいわれている物体(ボディ)というのは人間の身体(ボディ)のことであり、質量とは愛情の量なんだよ。」(30~31ページ)という台詞が出てきたのは、なぜかアジモフの作品だと思い込んでいた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: SF
感想投稿日 : 2017年9月30日
読了日 : 2012年1月28日
本棚登録日 : 2017年9月30日

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