詩のすすめ: 詩と言葉の通路 (詩の森文庫 103)

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  • 思潮社 (2004年12月1日発売)
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Ⅰ部は詩の言葉の解説。詩が、言葉の持つ「ゆらぎ」をもとに心に訴えるものであることがわかる。それ故に詩は、通常の散文と違って理解しがたいが、揺らぎからくる抑えがたい感動がある。▼Ⅱ部は自作詩による解説。自作詩『生命は』ではこう記す。生物は欠如あるもので、その欠如を他者にうめてもらうことによって生命を維持できる。他人は疎ましく思えるものの、他者とのつながりの深さがないと生物は生きてゆけない。▼Ⅲ部は5人の詩人の解説。中原中也「帰郷」、高見順「私の卵」の解説は良かった。詩が作られた時の詩人の置かれた状況が理解できると、感受性の鈍い私にも詩の意味が分かる。詩が分かる人は、詩を読んでその背景や状況まで理解できる人だろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 詩・短歌・俳句
感想投稿日 : 2017年3月28日
読了日 : 2017年3月28日
本棚登録日 : 2017年3月28日

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