Ⅰ部は詩の言葉の解説。詩が、言葉の持つ「ゆらぎ」をもとに心に訴えるものであることがわかる。それ故に詩は、通常の散文と違って理解しがたいが、揺らぎからくる抑えがたい感動がある。▼Ⅱ部は自作詩による解説。自作詩『生命は』ではこう記す。生物は欠如あるもので、その欠如を他者にうめてもらうことによって生命を維持できる。他人は疎ましく思えるものの、他者とのつながりの深さがないと生物は生きてゆけない。▼Ⅲ部は5人の詩人の解説。中原中也「帰郷」、高見順「私の卵」の解説は良かった。詩が作られた時の詩人の置かれた状況が理解できると、感受性の鈍い私にも詩の意味が分かる。詩が分かる人は、詩を読んでその背景や状況まで理解できる人だろう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
詩・短歌・俳句
- 感想投稿日 : 2017年3月28日
- 読了日 : 2017年3月28日
- 本棚登録日 : 2017年3月28日
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