ブ活はじめます~すべての女に捧げる「気持ちいい!」ブス活動のススメ!

著者 :
  • 宝島社 (2012年10月12日発売)
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感想 : 8
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 もう、こういう系の本は読まないようにしようと思ったのだけど、

 最後の章を見て、読んでみたいなと思った。

 別に子供が好きなわけではない、自称自分のことしか考えない、4人の母親である作者の、妊娠、出産、育児に関する章。


 わたし、勝手な話なんですけど、「母親になること」について、あまり喜びとか感じないというか(まぁ結婚も妊娠も出産もしてないんですけど)妊娠した人に対して「おめでとう」と言うことになんか、違和感があるんですよね。


 それは間違いなく、もし自分が妊娠した時に「おめでとう」と言われたら嬉しい気持ちになるかと自身に問うた時に、「多分ならんだろうな」と思うであろうことを想定している。


 それは、自身の職業である教師という仕事に対し、「教師は素晴らしい仕事だ」と言うことに抵抗があることと似ている気がする。

 いいことばっかじゃ、ないよね。辛いことのほうが多いよ。当たり前じゃん、人に対して責任があるんだし。でもさ、その辛さの中で見つけた喜びって、何事にも代えがたいよ。だから教師って素晴らしいよ。


 教師を、妊娠、子育てと置き換えて差し支えないかと思う。

 
 妊娠を、出産を、子育てを、「辛いことだがやりがいがある。その環境に身を投じて良かった。」と結果的に実感するのは、当の本人であり、周りの評価ではない。


 「おめでとう」の言葉の裏には、いろんな意味が含まれているのであろう。

 「これで一人前の大人だね、おめでとう。」
 「新しい命がこの世に存在し始めたことに、おめでとう。」
 「困難に身を投じる覚悟ができたんだね、おめでとう。」
 「これから人のために生きることが出来るんだね、おめでとう。」
 などなどなど。

 わたしにはよくわからんが、そのあまりに省略された内容を、受け取る側に委ねて「ありがとう」と言わせることに、わたしはなんか違和感を禁じ得ないのだ。


 ま、30目前の独身女が何いってんだよ、僻みか?と捉えられても言い返せないような内容なんですけど。


 まぁ何も言わないのもおかしいので、
 わたしはとりあえず、私の知っている友人の腹に住まう新しい人に「誕生日おめでとう」感覚で「おめでとう」といってます。まぁまだ生まれてないんですけど。
 新しい命がこの世に存在し始めているという事実は、尊くて、ありがたくて、おめでたいことだということは間違いない。


 妊娠出産を、喜ばしいこと、当然のこと、ありがたいことと、周りから思わせられるような言動は、個人的には避けたい。妊娠出産子育てを、綺麗なことだ、美しいことだと簡単にまとめたくない、という気持ちが私のどこかにあります。

 某番組で、働く芸能人ママの悩みを大勢の相談員が聞く、っていうのがあったけど、おすましして、「子育てってこんなに楽しくて、子どもが嫌になるなんて考えられない。」って発する人は、いないわけじゃないんだろうが、世のママを傷つけるだけなんじゃないかと私は思う。多くの人が、「理想」と自分を比較してしまうから。ママは、肯定の言葉が欲しいんだと思う。答えなんてない戸惑いに、「それでいいんだ。」といって欲しいんだと思う。理想はあったほうがいいけど、「よりよくありたい」と頑張る気持ちが比較を産んでしまうのだから。それは、「人よりもよくありたい」んじゃなくて、「この子にとってよりよいものであって欲しい」っていうのは、言うまでもない。その某芸能人ママは「比較することの意味がわからない。」って別の文脈で言ってたけど、答えのない事柄に、よりよい答えを出すために比較、参考をしてしまうのは、普通のことじゃないか。わたし、その番組見て、その芸能人嫌いじゃないなって思ったけど、あの場面であの行動はよろしくないなと、思ってしまった。


 そんな中。

 この本の最後の「ブスの出産、子育て」は、そういう意味でリアルです。だから、わたしは、読んでみたかった。あまりこういうふうに書く人いない。だから、とても嬉しかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2012年10月30日
読了日 : 2012年10月30日
本棚登録日 : 2012年10月30日

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