弱さのちから

著者 :
  • 亜紀書房 (2020年7月22日発売)
3.66
  • (11)
  • (14)
  • (18)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 310
感想 : 16
5

東日本大震災のとき、何も出来なくてもどかしかったこと、今回のコロナでむしろ動けなくなって、自分がダメになりそうだった。今まで「自分に武器を持ちなさい」と諭され、生き抜く事ばかりに執着していた自分が、武器も使えない、増やせない状況で気がついたのは、筆者と同じ「弱い自分をうけいれる」ことだった。もう自分は生きていて、揺るがないものがどんな形で、自分がどんな人間が認識することが必要なんだろう。と思った。若松先生の詩や文章はじっくりと自分と向き合う姿が伝わってきて好きだし、神谷美恵子さんの著者の解説などもとてもわかりやすく、過去の翻訳家だと思っている。そんな先生が、等身大の自分を曝け出したこの本はある意味「びっくり」「なんだかわかる」し、「共感」する。そんな一冊です。

読書状況:いま読んでる 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年1月5日
本棚登録日 : 2020年12月15日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする