戦後まもなくの混乱期、神田神保町で古典籍専門の古書店・琴岡玄武堂を営む庄治は、店を構えず通販のみのユニーク商法が災いして商売あがったりだった。そんな中、同業者で弟分の芳松が本に埋もれて圧死した。何故かGHQから真相究明を命じられた庄治は、徐々にGHQの「ダスト・クリーナー計画」に巻き込まれていく。タイトルの「定価のない本」は古本のこと。
う~ん。真相究明を命じておいて、真相が分かりそうになったところで仲間に引き入れて…。GHQの妙に手の込んだやり口がしっくり来ない。GHQなら、しようと思えば強制的に接収出来るはず。それに、平気で殺人を犯し、家族を人質にしておきながら、駆け引きが妙に律儀だよな。
「日本から歴史を奪う」「国家同士の文化戦争」とのことだが、終わってみれば、米軍を合法的に儲けさせただけ?
それにラストの謎解きもしっくりこなかった。
著者の歴史小説、奇を衒わないオーソドックスな作風で好きなんどけどな。ミステリーはいまいちだな。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ミステリー
- 感想投稿日 : 2023年10月9日
- 読了日 : 2023年10月9日
- 本棚登録日 : 2023年10月8日
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