夜回り先生のねがい

著者 :
  • サンクチュアリ出版 (2007年4月18日発売)
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本棚登録 : 233
感想 : 27
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読みながら、泣きました。

子供は社会を写す鏡、と言われます。
大人も社会も病んでいるんですね。

水谷先生は常に子どもの側に立ち、大人を攻撃し続けてきた、と自ら仰います。でも、ある母親からのメールで、実は大人も苦しんでいると知ったと書かれています。

そして、この本は子どもへ、そして大人へのメッセージも詰まっていると思います。


「 大人も子ども、誰だって本当は人を傷つけたくなんてない。
 人は本来、みんな優しいものです。
 目の前でお年寄りがカバンの中身をぶちまけてしまったら、とっさに駆け寄り拾ってあげるでしょう。幼い子が道で転んで泣いていたら、そっと手をさしのべて抱き起こしてあげるでしょう。・・・その場に自分しかいなかったら、まさに自分が必要とされれば、みんな進んで人を助けようとする。そういう素晴らしい心を、本当は誰もが持っているんです。
 そんな優しさを忘れてしまうほど今、社会は憎しみにあふれています。・・・あらゆる場所に憎しみが連鎖し、互いを傷つけ合っているんです。」

この連鎖を断ち切ろう。
そのために、水谷さんはこう語りかけます。

「いいんだよ。
 昨日までのことは、みんないいんだよ。
 生きていてくれさえすれば、それだけでいい。
 今日から人のために優しさをくばって、
 人のために生きてください。」

心を開いて、人に優しさを配っていこう。
少しずつでいいから。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 子育て・教育
感想投稿日 : 2012年8月2日
読了日 : 2012年8月2日
本棚登録日 : 2012年8月2日

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