初めて読んだ沢木耕太郎の作品は1979年朝日新聞連載の「テロルの決算」。社会党委員長浅沼医稲次郎を暗殺した右翼少年山口乙矢を描いたノンフィクション。彼とは同い年の私が30歳過ぎのとき。
それまであまりノンフィクションを読んでいなかったと思うが新鮮だった。その次は同じく朝日新聞連載のボクサー、カシアス内藤を描いた「一瞬の夏」これも面白かった。その後エッセイ「チェーンスモーキング」など。最近では世界的なクライマー夫婦を描いた「凍」。これは凄かった。
そんな彼の若い時の日本脱出自分探しのアジアからヨーロッパ貧乏旅行記。このシリーズは何巻かあるが、私が興味のあるベトナム、タイ周辺の巻。
どの作品でも感じる彼独特の自己凝視ストイックな美点は好ましいが、若者の甘さ衒いを少し感じる。私が青年ではなく64歳だからだろうか?
深夜特急」シリーズはバックパッカーの若者たちには人気らしい。
そうだろうなと思う。私ももっと若いときに読めばハマったかも。
しかし、この年で読んでも面白い旅行記であることには間違いない。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
旅行記
- 感想投稿日 : 2013年4月2日
- 読了日 : 2013年4月1日
- 本棚登録日 : 2013年3月16日
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