図書館より
秋月藩の武士間小四郎の半生を描いた歴史小説。
武士としての藩を思うまっすぐな生き様、藩をめぐる様々な陰謀や敵、武士同士の友情と運命の交叉、芯が強く優しい女性陣、チャンバラシーンと武士を扱う小説のほしい要素がすべて詰め込まれていたと思います!
史実をもとにした小説なので、歴史の流れを追うハイライト的な話の筋になるのではないか、とも読んでいるときは思ったのですが、全然そんなことはなかったです。どのエピソードも主人公を中心にしっかりとスポットを当てられていて、史実に物語がしっかりと肉付けされているように思いました。
文章の安定感もぴか一!いつまでも読んでいられる、とまで言ったら言い過ぎかもしれませんが、素人の自分でもこの文体は良いなあ、と思ってしまいました。
この本は全ての役目を終えた小四郎の回想から始まります。プロローグでは小四郎はそのことに関し「安堵の想い」と語っているのですが、全て読み終えた後だと、この言葉が本当に実感を持って心に迫ってきました。運命の皮肉に踊らされても決して腐ることなく、藩のための行動をとり続けた小四郎の生き様に本当に素晴らしかったです!
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
時代小説・歴史小説
- 感想投稿日 : 2014年1月2日
- 読了日 : 2014年1月2日
- 本棚登録日 : 2013年12月30日
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