シャイニング (上) (文春文庫) (文春文庫 275-58)

  • 文藝春秋 (1986年11月1日発売)
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本棚登録 : 783
感想 : 79
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 冬の間、雪のため外部との連絡がシャットアウトされるホテルで管理人をすることとなった一家を描くホラー小説。

 やっぱりキングだけあって前フリが長い(苦笑)。ホラー的な描写は上巻の最後でようやく表れる程度で、管理人一家の内面や生活を描くことが上巻の主な目的のようです。

 一家の大黒柱であるジャックは元アルコール依存症で、教師の仕事も学校で問題を起こしたため首となり、そのうえ息子のダニーに暴力を加え腕を折ってしまった、という過去があります。
 ダニーは父になついているのですが、そうした経歴のため妻のウエンディとの仲は表面上穏やかなのですが、そこには危うい雰囲気が立ち込めているように思われます。

 ジャック自身それを分かっていていい父親で夫であろうとしているのですが、ところどころでアルコールの誘惑や現在の境遇への不満、持っていた癇癪がところどころで見え隠れし、上巻は空気がパンパンに詰まった風船を持ってしまったような緊張感をどこかに感じながら読み終えました。

 この風船が派手に破裂するのか期待しながら下巻に進もうと思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ホラー・怪奇・幻想・パニック
感想投稿日 : 2015年1月11日
読了日 : 2015年1月10日
本棚登録日 : 2015年1月1日

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