日本国の研究 (文春文庫 い 17-8)

著者 :
  • 文藝春秋 (1999年3月10日発売)
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行政の無駄を抉り出した現東京都知事 猪瀬直樹氏のノンフィクション。本書によって、のちに小泉改革に、東京都副知事として招聘されていく。

現在の行政では、さすがにここまでの無駄はなくなってきたと思う。1990年代と現在で恐らく財政赤字のポートフォリオが異なる。当時はまだまだ公共工事へのばら撒き予算がまかり通っていた。しかし、小泉改革で、そのばら撒きはかなり減った。

現在の財政赤字の最大の原因は医療・福祉にある。痛みを伴う改革ができるかどうかは、医療・福祉に大鉈を振れるかどうかによる。猪瀬氏、そして氏の親分の石原慎太郎氏率いる維新の会が、いったいどこまで切り込めるだろうか?

<目次>
第一部 記号の帝国
 第?章 朝日連峰 「杉」とはなにかー記号化された世界
 第?章 長良川河口堰 「水」とはなにかー特殊法人の隠し子
第二部 闇の帝国
 第?章 視えないシステム 道路に巣食う子会社の群れを追って
 第?章 巨大赤字隠蔽のからくり 理念なき財政投融資の現場を見る
第三部 寄生の帝国
 第?章 迷路の世界 公益法人の群がる寄生虫たち
 第?章 もうひとつの国 独り歩きする特別会計に潜む謎
あとがき
文庫本へのあとがき
解説 竹中平蔵

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2018年11月5日
読了日 : 2013年2月20日
本棚登録日 : 2018年11月5日

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