絶望の国の幸福な若者たち

著者 :
  • 講談社 (2011年9月6日発売)
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同い年のイケメン社会学者、古市センセイ渾身の一冊を読み終えた。
僕も筆者のいうような、国の将来に何か希望を抱いているわけでも無いけどほぼ毎日を楽しく幸せに生きている若者の一人であると思う。が、本の中でこんな世の中でも幸せを感じる理由としている、「将来が今より良くならないと思っているからこそ、今に満足し幸せを感じられるのだ」という分析は、僕が幸せを感じている理由とちょっと違う気がした。

国が絶望的なのかどうかは、自分でどうこうできるレベルではないのであまり情報も追っておらず正直なところよくわからない。2030年代には消費欲旺盛な団塊の世代がいなくなり、「ひきこもり」や「ニート」が若者問題ではなく高齢者問題になる、という本書の記述を読んで初めて驚いたくらいだ。

幸せを感じる理由としては、この情報化社会が発達したおかげで新しいことや面白いと感じることをいくらでも自分自身に体験させられるからであるように思う。またそうすることによって、環境は変わらずとも自分自身が変わっていくことが特に楽しい。不幸だと感じるのは、コミュニティからの承認が得られなくなるときでは無く、時間が全く取れなくなり何も変化させられなくなるときではないだろうか。(たまにそうなってしまうので極力避けたい)

と、何か反論するような感想を書いてしまったが、筆者もあとがきで、研究者として「自分」と「自分のまわり」の世界を明るしていくことは楽しい。と書いているので、何か僕が変な読み取り方をしたのかもしれない。僕も日本を変えるような努力はできないけれど、自分を含めた手の届く範囲を変化させる努力は続けたいように思う。その結果、幸せになれれば満足だ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2012年6月19日
読了日 : 2012年6月19日
本棚登録日 : 2012年6月19日

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