学習まんが 日本の歴史 2 律令国家をめざして (全面新版 学習漫画 日本の歴史)

  • 集英社 (2016年10月28日発売)
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感想 : 8
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2巻は飛鳥時代を描いています。

1章は律令国家の成立にとって、とっても大事な仏教の伝来について。仏教という、いわば大陸の新しい?思想を受け入れるにあたっての物部氏と蘇我氏の争いも描かれています。

2章は日本が大陸の大国・隋との外交のために、国として成長していくさまを描いています。要は推古天皇の御世に蘇我馬子と厩戸皇子が摂政として政治を行い、遣隋使を派遣するあたりの話です。厩戸皇子を前面に出すわけでなく、あくまで国際国家として日本が整えてきた政治体制についてを主に描いているところがいいなと思いました。

3章は蘇我氏が権勢をふるっている頃から大化の改新までの話。まだまだ歴史の出来事の流れがシンプルですねこのころは。でもありがたいのは乙巳の変から大化の改新までだけでなく、正真正銘大化の改新と呼べるところまでのさまざまな国家体制づくりについてページを割かれていたこと。
この辺りまで読んでくると、他の学習漫画のまとめ方とはちょっと違うなという感じがします。

4章は壬申の乱。この章では大海人皇子と大友皇子、天智天皇との関係も少し描かれていました。どっちの思いも真摯で真面目だったのに・・・。

5章は天武天皇→持統天皇の御世の、律令国家がついに形になるところを描いています。

全編通して、日本という国がどのように律令国家として形作られたのかがわかりやすい編成になっています。
マンガを読むだけで、国家として必要な制度がいかようにして作られていったのかもわかりやすくなっています。
他の学習漫画だと、とっつきやすさ重視で人物を中心に描いているものがありますが、ほんとうに勉強に役立てるなら、特に飛鳥時代は倭と呼ばれていた時代の”クニ”から「日本」という律令国家への成長ぶりが理解しやすいこの構成のほうが役立つのではないでしょうか。

それからありがたいのは巻末の年表と用語解説。これもしっかり読んでおけば受験にも使えそう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史
感想投稿日 : 2020年6月29日
読了日 : 2017年12月8日
本棚登録日 : 2020年6月29日

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