なぜ日本は負け戦に突入したのか、海軍将校OB達が戦後集まって反省会を行っていた、それを録音したテープがある、ということが発端となり製作された、同名ドキュメンタリーの書籍版です。
本書を読んで、自分の中の太平洋戦争観が変わったように思います。日本海軍が重視していたのは、対米戦争の勝算ではなく、日本陸軍から予算を削られることを如何に防ぐか、という内輪の論理であったところが非常に興味深いです。これは現代日本社会でも、いろいろなところで見受けられる状況だと思います。
また、本書を読んで思ったのですが、結局、特攻隊は誰がやると言い始めたのかよくわからないみたいですね。一般的には、軍国教育による洗脳だったとか、空気支配によるものだとか、人命軽視の風土があったとか、いろいろ言い方はあるかと思いますが、根っこは結局、内向きの論理が優先されていたところにあるんじゃないか、という気がしています。
また、あまり関係ないですが、「変人参謀 黒島亀人」という海軍将校の存在が非常に気になりました。禅・宗教・哲学に熱中した海軍参謀って・・・、そんな人がいたんですね。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2012年8月13日
- 読了日 : 2012年8月13日
- 本棚登録日 : 2012年8月13日
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