カッコいい!
出てくる人、みんな、カッコいい!
第二次世界大戦中の1943年秋ドイツ、東部戦線の失敗・イタリアの敗北で戦況は悪化するなか、イギリス首相のチャーチルをイギリス本土から誘拐する計画が持ち上がり、ドイツ軍落下傘部隊の精鋭たちが……。
この小説は「歴史小説」ではない。
チャーチルは誘拐されていないし、ドイツは1945年春に降伏する。
ましてや、この物語にある事柄はどこにも記録されていない。
だからと言って「架空戦記」というわけでもない。
歴史とは「紙もしくはそれに準ずるものに書かれた事柄をもとにして推測され、広く認められた過去の出来事」
「記録されていない(認められていない)こと」が「なかったこと」と同じではないところを、作者は物語の構成で巧みに活用し、「作者自身が取材し集めたレポート」として、巻頭と巻末に挿入することで、とたんに登場人物たちの物語の実存性が高まる。
「もしかしたら、本当にあったかもしれない…」、こう思わせてしまうことですでに作者は成功している。
当時珍しい“ドイツ軍兵士が主役”ではあるが、当然にこの物語も映画化された。
監督は「OK牧場の決闘」「荒野の七人」「大脱走」などで知られるジョン・スタージェス。
この物語も、カッコいい人満載!
ほんと、感想は「カッコいい」に尽きる!
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
海外ミステリー小説
- 感想投稿日 : 2023年1月16日
- 読了日 : 2023年1月14日
- 本棚登録日 : 2022年11月3日
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