捨てられる銀行 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社 (2016年5月18日発売)
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★森長官マンセー★30ページほど読んだところでまず一言。著者は純粋に森長官のファンなのか、丸めこまれたのか。とても記者とは思えない一方的な心酔をみせる書き方。事業性評価を持ち上げるが、不良債権処理を迫り銀行のビジネスを捻じ曲げたのは金融庁じゃなかったのか。そもそも金融庁が日本の金融をコントロールできるほど偉く能力があるのか、といった一歩引いた感がゼロ。一方で銀行だって中小企業の経営指導なんてできっこないだろうに。
こんな内容でなぜ売れる、と思ったが、内容は別として全国の金融関係者という市場をうまく開拓したのはすごい。

<読み終わって追記>言いたいことは分かるが、金融庁(もしくは多胡氏)に丸乗っかりという感じ。好事例として挙げるのもお上の推薦銘柄。問題意識は分かるし、単に合併すればいいわけではないのは納得がいくが、地銀や信金の現場で本当に融資先の事業評価ができるのだろうか。過去にはできていたというのは右肩上がりの時代の郷愁ではないのか。リレバンとはもっと泥臭いものではないのか。融資判断と引き当てが切り分けられるかは、そもそも金融庁に縛られたものだろう。もっとも今も引きずられる金融機関の問題も大きいが。せめて個別事例は数字を示してほしかった。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 経済・ビジネス・政治
感想投稿日 : 2016年11月2日
本棚登録日 : 2016年11月2日

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