ケータイ小説的。――“再ヤンキー化”時代の少女たち

著者 :
  • 原書房 (2008年6月9日発売)
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本棚登録 : 319
感想 : 42
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★いまもあるのか★ついぞ接点のないケータイ小説だが、ヤンキー流れで。出版は2008年。読んだこともないのでケータイ小説そのものの批評はしようがないが、分析は面白い。

ケータイ小説と浜崎あゆみの歌詞は同じ線上にあり、その前にはNANAやホットロードといった、具体的な描写を欠いた回想的モノローグがある。田舎のショッピングセンターの画一的な品ぞろえの本屋で売れるのは、それがハイかロ-かサブかではなく新たな文化の形というのはもっともだ。

児童文学評論家の赤木かん子の指摘の引用も興味深い。「リアル系」の子供は情緒が苦手。だから相田みつをが好き。人間描写がない、風景描写がない、心理描写がない。出来事が次々出てくる…。なるほど。ただ、僕にとってのみつをのとっつきにくさは、情緒不足と言われるとすっとこない。

つながりすぎるケータイというジレンマも納得。ケータイ小説の最後に、つながらないかもしれない日記や絵馬がコミュニケーションの手段として表現される逆説とワンパターン。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 趣味
感想投稿日 : 2014年8月18日
本棚登録日 : 2014年8月18日

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