優駿(上) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1989年11月28日発売)
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"恋愛"をテーマとした読書会に持って行こうかと、久々に再読。
軽い復習のつもりだったのですが、ついつい読み込んでしまいました、秋は危険です。

結構忘れているもので、改めて読むと家族愛の要素の方が強いようにも感じました。
ん、一番愛情が向けられていたのは、"サラブレッド"だと思いますけども。

で、"馬(サラブレッド)"に対する想いが、愛情が、これでもかというくらいに綴られていきます。
そして、たまらなく夢を追いかけたくなりますが、冷徹な現実も立ちはだかって。

人の世は有為転変、それでも自分の"芯"を見失うことが無ければ、
どこかで一つに結実していくのでしょうか、"祈り"とともに、、なんて。

多頭立てのダービーの時代ですから、舞台としては大分古いハズなのですが、
今読んでも普通に情景が浮かんできます、東京競馬場のラスト3ハロンなど、たまらない。

そういった意味では、時代をも超越しているのでしょうか、競馬というスポーツは。

そうそう、結局読書会には『じゃじゃ馬グルーミン★UP!』+αを持参したのですが、
そのどちらでも"社台ファーム"をネタにしているのは、日本競馬界への影響の大きさが伺いしれます。

ノーザンテーストにサンデーサイレンス、今の日本競馬の血統の土台を作ったこの2頭ですが、
ここにメジロマックイーンを加えた、日本の血統の集大成ともいえる馬が、今年凱旋門を走ります。

リアルタイムで見れるかどうかはわかりませんが、"祈り"を込めて結果を待ちたいと思います。
そういえば『風の王』もまだ未読でした、、探してみようかなぁ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文学
感想投稿日 : 2012年10月5日
読了日 : 2011年5月3日
本棚登録日 : 2011年5月3日

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