イスラーム国の衝撃 (文春新書 1013)

著者 :
  • 文藝春秋 (2015年1月20日発売)
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感想 : 165
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著者の池内さんは、長年、中東地域の政治や、
イスラームの政治思想を研究をされていて、、

なんて風に書くと、一見とっつきにくい感じですが、
非常にわかりやすく、丁寧にまとめられています。

当初、池袋のジュンク堂で探していたのですが、
新書にしては珍しく売り切れていて、地元で発見しました。

そういった意味では、ちょうど時節に合致しているのかなと。

その内容は、第1次大戦後の秩序形成からイラン革命、
湾岸戦争、9.11テロ、そして「アラブの春」。

この辺りをざっと俯瞰しながら、
イスラーム社会の質の変容をまとめられています。

キーワードは“グローバル・ジハード”、
明確な指導者を持たない拡がり、とはなるほどと。

興味深かったのは、こちらと前後して読んでいた、
『新・戦争論』や『賢者の戦略』とシンクロしている点。

アンダーソンの言う“遠隔地ナショナリズム”とも関連する、
“新しい国家”のカタチなのか、どうか。

ん、個人的には“イスラーム法学”が、
次のキーワードとして、気になっています。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 政治
感想投稿日 : 2015年2月4日
読了日 : 2015年2月3日
本棚登録日 : 2015年1月21日

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