殺人鬼がもう一人

著者 :
  • 光文社 (2019年1月22日発売)
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本棚登録 : 468
感想 : 90
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東京郊外の長閑な町だった辛夷ヶ丘。最近地主の老婆相手の路上強盗や市長選に絡みそうな殺人等きな臭い事件が次々起こる。これを生活安全課の砂井が解決していく短編集なのだけど市民は善良なふりして腹黒いし、砂井も相方と一緒に事件にかこつけて裏金を着服したりする悪徳警官。だから事件の解決も正義に基づくというよりは落とし処に収める感じ。これがなかなかブラック。黒いの好きとしてはにやり。伏線の回収具合は相変わらず見事です。三作目~五作目は砂井主体じゃない話で妹の結婚式当日に次から次へと起こる騒動「黒い袖」や本家の久しぶりの葬儀の際に一癖も二癖もある親戚が集まる「葬儀の裏で」この二つが黒い中にも小気味良くて良かった。ただ砂井が一話と最終話でなんか感じ変わっていて違和感。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリ
感想投稿日 : 2019年9月2日
読了日 : 2019年9月2日
本棚登録日 : 2019年9月2日

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