立花隆 小林・益川理論の証明 陰の主役Bファクトリーの腕力

著者 :
  • 朝日新聞出版 (2009年1月20日発売)
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本棚登録 : 199
感想 : 21
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2000年頃の雑誌連載を元にノーベル賞受賞を期して出版。
益川さんが良いキャラなのは確かだが、そればっかりの報道に怒る立花氏。
論文の引用数が連載当時で世界2位、上も下もすでに受賞しており当時から受賞は時間の問題と見られていた。
基礎物理でノーベル賞を取るのがどれだけ凄いか分かってるのかと嘆くのだが、理解するのはむつかしいわなあ。

物質が原子が陽子と電子でできているのはわかる。ではダビンチコードに出てた反物質とは? 大きさが陽子で電荷がマイナスの反陽子と逆に電荷がプラスの陽電子があり陽子と反陽子、電子と陽電子はペアで生まれ、ぶつかると光になって消滅する。
元々ペアで生まれたので消滅すると何も残らないはずが反物質の挙動が少し違うため陽子と電子などが余って残りこれが世界を作っている。(かなり適当な説明だがわかった範囲で書いている)

陽子は最小単位ではなくクォークからなるということがわかってきたようだが、ノーベル賞は上の反物質の挙動がおかしいこととそのためにはクォークが6種あると予想を立てた論文が対象になった。これが書かれたのは1972年で理論上の存在だったクォークが発見される事により重要な論文となっていった。

この本のもう一つの主役はこの理論を実証したつくばの高エネルギー加速器研究機構の装置で、高速で電子と陽電子をぶつけ発生するある粒子とその反物質のペアの寿命に差があることを実証する。この装置は戦艦1隻の重量で、電子顕微鏡なみの精度を制御する日本で一番巨大で精緻なマシンだと言う。アメリカの装置が先行していたが圧倒的な解像度で追いつき両氏の理論が正しいことを実証した。

正直なところこの理論のことはよくわからない。しかしわからないなりに楽しめるドキュメンタリーだった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 科学
感想投稿日 : 2013年2月20日
読了日 : 2012年3月6日
本棚登録日 : 2012年3月6日

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