専門家の本は面白い。
先日、三井誠著『人類進化の700万年』に続いて本書を読んだ。三井氏はジャーナリストであり専門家ではない。他方、本書の更科功氏は古生物学者であり、武蔵野美術大学の教授である。更科氏の筆力もあるだろうが、専門家は一重深いところまで考えているために論の立て方が面白い。本書はそのことを教えてくれた。
ホモハイデルベンゲンシスの一部はアフリカを出てヨーロッパに行った。そこで進化したのがネアンデルタール人であり、アフリカに残ったホモハイデルベンゲンシスが進化したのがホモサピエンスである。
しかし、その後、やはりアフリカを出たホモサピエンスはネアンデルタール人と交配していた。アフリカ人以外はDNAの2%がネアンデルタール人由来という。日本人もDNAの2%はネアンデルタール人から受け継いだものなのだ。
本書の原稿は2017年に書かれたもの。現代的な比喩を含めて筆者の説明力には脱帽だ。面白かった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
サイエンス
- 感想投稿日 : 2023年3月17日
- 読了日 : 2023年3月20日
- 本棚登録日 : 2023年3月17日
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