「なんだ、カラスか」と侮蔑してしまった経験がある。身近な鳥である為、有り難みがないというかいつでも会えるイメージがある鳥、カラス。この本はカラスを愛してやまない筆者が、カラスだけを語りたい気持ちをグッと抑え(ているような気がする)、生きもの多方面にアンテナを伸ばして語ったエッセイと言えよう。
読み終わると、電線に留まったカラスに会いたくなる不思議な本だと思う。この本の構成が『カラスでないもの』にもしっかり比重をとっているにもかかわらず、かえって先生のカラス愛が際立つというか。終始楽しく読んでいくことができた。
カラスに限らず、野生動物に対して「わかりあう」のは難しい。「渡り合う」という事がお互いのためであるところに大いに共感した。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年6月5日
- 読了日 : 2023年6月5日
- 本棚登録日 : 2023年4月1日
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