資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか (ちくま新書 1740)

  • 筑摩書房 (2023年8月7日発売)
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資本主義を単なる経済システムではなく社会体制として捉える発想も、資本主義が際限なく富を蓄積する根源的な動機を持つことも、資本家が社会の再生産活動にビタ一文払わずタダ乗りしていることも、新たな気付きだった。ただ共喰いという比喩は全然ピンとこない。共喰いは同種のものが捕食し合うことを指すが、資本が食い散らかしているのは仲間の資本ではなく自然だったり労働者だったりして、共喰いの要素はどこにもない。
さて、資本主義が持続可能でない事はわかった。では社会主義が持続可能なのかと言えば、それは十分には示されていない。社会主義者はよくソ連式の共産主義とマルクスの社会主義は違うと言うが、それは詭弁だ。社会主義は◯◯でない式の説明は社会主義を言い表すのに全く不十分で、何がどう違うのかを言わなければ話にならない。これもそこが完全に欠落している。
あと翻訳も上手くないね。AIが翻訳してるのかと思った。こんな直訳なら原文のほうが理解しやすいのでは?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 経済経営
感想投稿日 : 2023年12月15日
読了日 : 2023年12月15日
本棚登録日 : 2023年10月16日

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