悪魔と詐欺師 薬屋探偵妖綺談 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社 (1999年12月6日発売)
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本棚登録 : 804
感想 : 55

薬屋探偵妖綺談・通称薬屋さんシリーズの第3冊目。今回は今までの本と少し構成が違うようです。

9月。京都での見合いの席に渋々向かった高遠(職業・刑事)は、その会場ホテルの喫茶店で毒殺の現場に居合わせてしまった。死亡したのは市内の外科医。休暇中でしかも管轄外なのだが、高遠はつい事件に首を突っ込んでしまった。公衆の面前で、犯人はどうやって被害者の指先に毒を塗ったのか…?《第1話・暗鬼》
10月。先輩が自殺したなんて信じられない―薬屋の秋の元へ相談を持ちかけた総和(寺の息子)だったが、秋はそっけなく相手にしなかった。でもリベザルは、なんとか力になりたくて…。《第2話・再鬼》
10月。薬屋に妖怪関係から相談が舞い込んだ。相談主によれば、餌場としている病院の患者ら大勢が夢も見ないほど熟睡してしまうらしい。それはちょうど、元院長が死亡してからだというのだが・・・?《第3話・夜鬼》
11月。秋も座木も出掛けてしまい、ひとりお留守番のリベザルのところに刑事が2人現われた。近くの山で発見された死体の捜査だったのだが、その状況はあまりにも15年前の事件に酷似して…。《第4話・回鬼》
12月。薬屋に2人の人物が訪ねてきた。高遠と葉山は、秋に相談を持ちかけてきたのだが生憎と秋は長期で留守にしている。結局座木と、そしてリベザルも手伝うことになるのだが、その相談とは「既に解決済みで関連の無さそうな6つの死に、共通点を見つけること」という妙なものであったのだ。《最終話・惹鬼》
これらがすべて繋がる時、そこに「カーテンコール」という名の幕が下がるだろう…

一応「短編」という形式をとっているので、けっこうすんなり読めました。長編で長々続くのもいいですが、こういう形式もこの作風には合っているのでは?しかも、上記の内容紹介で分かるとは思いますが、それぞれの話がラストに向けて終局するという…私が大好きな構成です(笑)。気に入らない訳がない!
今回も、リベザル君は頑張ってます!自分の悪いところや人見知りを少しでも克服しようとしてる姿は健気だ…。赤毛をかいぐりしたくなりますね。そしてそんなリベザルを、甘やかさずに後ろからそっと押してくれるような秋と座木がまたいいですね。
そして、前作(「黄色い目~」)に引き続き、高遠刑事と葉山刑事が再登場です。高遠さんが更に好きになりました…v こういうオジサンはいい…。

ところでタイトル名「悪魔と詐欺師」ですが、これって多分…秋のことよね…?どっちがどっち?…もしかして両方だったりして…(笑)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 高里 椎奈
感想投稿日 : 2012年6月10日
読了日 : 2005年9月12日
本棚登録日 : 2012年6月10日

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