八本脚の蝶 (河出文庫 に 12-1)

著者 :
  • 河出書房新社 (2020年2月6日発売)
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感想 : 76

死にたくなくて、生きることにしがみつく人と、生きていたくなくて、常に死に向かう人と、
そのどちらでもなく、自然に生きていられる人と、その間には、どんな違いがあるんだろう?
その三者は、本当のところは、全くお互いのことを理解できないのではないだろうか。
根本から違うのだから、それはもう世の中は行きづらい。

多様性という耳障りの良い言葉がはびこるようになったが、各々の生きることに対する姿勢には、この国は特に、全くと言ってほど多様性の容認がないように思う。

生きたい人の命を奪ったり(戦争や殺人も)、死にたい人を何が何でも生かせようとしたりする(安楽死に反対したり…)のはやめてほしい。

個人的に、彼女の好きな世界観や書物、物欲などに全く興味が重なるところがなく、かなり読み飛ばしてしまった。そのせいもあるのかも知れないが、結局彼女がどうして死にたかったのか、実際に何にそんなに苦しんでいたのか、わからなかった。人の心なんてわかるはずもないのだけれど、彼女の心を垣間見れるかもしれない、日記という形に惹かれて読んだ。

『ここは、多分ある意味ある角度から見れば、既に楽園なのだ』という奥歯さんの言葉が気にかかった。

雪雪さんの言葉
正面から雄雄しく戦ってはならない。負けろ。
あなたはどうしてそんなに、嘘をつくのが下手なんだろう。じぶんのの魂に誠実であってはならない。魂を売り渡して生きろ。醜くだ。逃げ道はある。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年2月21日
読了日 : 2024年2月21日
本棚登録日 : 2024年1月12日

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