迷宮 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (2002年5月17日発売)
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本棚登録 : 1013
感想 : 180
5

事件の犯人はわかってるし、表面的な動機に意外性はないので、ミステリとも違う。
ただ、治療者と被治療者、このふたりの関係に焦点をあてるとがぜん面白い。治療者の意図は何か。そしてあのラスト。
調書、小説の走り書き、週刊誌の記事、取材メモなど、いろいろな媒体が同じ事件を述べているが、媒介により意図が違う。
こういうのは映像や漫画ではなく、小説ならではだと思う。そして、文体にこだわるこの作者ならではの書き分けの妙。
そう思うと、意外とテクニカルな小説です。
面白かったです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2012年3月14日
読了日 : 2012年3月14日
本棚登録日 : 2012年3月14日

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