事件の犯人はわかってるし、表面的な動機に意外性はないので、ミステリとも違う。
ただ、治療者と被治療者、このふたりの関係に焦点をあてるとがぜん面白い。治療者の意図は何か。そしてあのラスト。
調書、小説の走り書き、週刊誌の記事、取材メモなど、いろいろな媒体が同じ事件を述べているが、媒介により意図が違う。
こういうのは映像や漫画ではなく、小説ならではだと思う。そして、文体にこだわるこの作者ならではの書き分けの妙。
そう思うと、意外とテクニカルな小説です。
面白かったです。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2012年3月14日
- 読了日 : 2012年3月14日
- 本棚登録日 : 2012年3月14日
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