あんまりに当たり前のように書かれていると、豚の中足がドリルになっても受け入れてしまうのだなあと、読み終えてみてから、モノゴトを判断する物差しがだいぶ狂わされていたことに気づかされる。ということは、すっかり物語に引込まれていたのかもしれない。
いや、物語に引込まれていたというよりは、現実のほんとうの力に気づかされた、というような気もする。
つまり、人間が都合のいいように考えたいわゆるファンタジーを越えすぎて、逆にありえそう。
「もしもありえないことが現実に起こるとすればこのくらい想像の外側をついてくるんだろうなあ」と言えばいいのか。
そしてこの感じ、どこかで味わったことがあるなあと思ったら、「神話」なのである。
カミサマってさぞかし立派なんだろうなあと思って読み始めると、欲望まるだしだったり自尊心が強かったりで唖然としちゃう感じ。
このお話も、登場人物がみんな人間らしくてどこかグロくてかわいげがある。
キャラが活きすぎてて、これはなんの伏線だろう?と思ったら、ただのキャラ描写なのか!なんてことが結構あったりして。
これはもう、ストーリーの外側、「世界」そのものを描いているみたいだ。
それでもって、なによりテーマに共感する。
「自然への畏怖」が失われた世界で、人はたぶん長く生きることが出来ないような気がする。そうであってほしい。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2014年8月17日
- 読了日 : 2014年8月17日
- 本棚登録日 : 2014年8月17日
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