私はいま自由なの? 男女平等世界一の国ノルウェーが直面した現実

  • 柏書房 (2021年9月28日発売)
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本棚登録 : 351
感想 : 24
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男性・女性共に自由を目指す場合、この資本主義社会にあって最も向き合うべきポイントが、「労働」特に「労働時間」というトピックであることを指摘した本。

資本主義社会にあると意外に盲点となる「労働時間」(労働が社会・個人の基盤とされてしまうから。)。しかも、今日の労働者は消費者でもあるので、消費生活で自分達の労働者としての生活をますます圧迫するというウロボロス状態の負のスパイラルに陥っている。
(※まさにそのように今日の社会を捉えた人がいて、<Cannibal Capitalism>という、ずばりウロボロスを表紙絵にした本がありました..!)

労働者を雇用する側の理屈や、資本主義の財政に立脚する国家の側の理屈で巧妙に隠されてきた点でもある。

著者が最後に言った(p.384)、「私は自分がとても自由で幸せな人間に思え、この本に書いてきたことが全てどうでも良く思える日もある。一方、不自由さがあまりに不愉快で、心の中が真っ暗になりそうな日もある。」という言葉があまりに正直で、心に残ったし共感した。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2024年1月9日
読了日 : 2024年1月9日
本棚登録日 : 2023年1月24日

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