囮物語 (講談社BOX)

著者 :
  • 講談社 (2011年6月29日発売)
3.81
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本棚登録 : 3994
感想 : 327
5

物語シリーズは実は偽の上巻以外はちまちま読み進めています。そして今回は囮、でした。

みんなの天然系おどおど少女撫子ちゃんのお話。

冒頭からショッキングで、どうなるかと思ったら…まさかの展開過ぎてもう始終釘付け、としかいいようがなかったです。

冒頭、阿良々木くんとの殺し合いから始まって、以下それが起こるまでの顛末を撫子ちゃんが回想していきます。

一人称語りで、ちょっとした雑談がありつつも比較的テンポは早め…だと思います。ここら辺、悲鳴伝を読んだあたりから感覚狂ってきたので何ともいえないですけども…

途中に挟まれる、月火ちゃんとの会話が個人的にはツボでした。なんで、撫子ちゃんがずっと阿良々木くんを好きだったのかとか、
可愛いだけはいやだとか、そういう話。

正直、思いますよねぇ、誰だって。
この人は、私が◎◎だから仲良くしてくれるだけで、じゃあ一歩違ったら?って

そんな内容でした。

早い話が思春期にはよく見られるコンプレックス的なものですね。いや、コンプレックスはいつでもありますか。
少なくとも私はあります。

そこからまさかの強制断髪式です。撫子ちゃんの前髪ばぁっさり。
そして何かが変わってしまったようで、撫子ちゃんの変貌

ある意味。おとなしくて腹の中で色々考えている子がすべてぶちまけた結果になりました。


そこからまた少しお話があって、まさかの妄想オチ。
でも一応、ちゃんと説明はあります。どこまでが妄想で、どうしてそうなったのかって言うことに関しては。


そしてまさかの撫子ちゃん最強説です。毒蛇すごいよ、毒蛇。

そのまま冒頭に戻りてはラストバトル、最後のけじめとして阿良々木くんを殺しましょうか、というところでひたぎさんのお陰で命拾いすることとなりました。
てことで、囮物語が終わった現在では阿良々木くんは死なずにすみました。どうにかこうにか。

一応、彼は卒業式で最強説浮上の撫子ちゃんに殺されてしまう予定らしいです。
撫子ちゃんは、自分の妄想から、恋の病から、今ではあの白北蛇神社の神様です。
どうやらそこに住み着いた模様。ずいぶんと壊れてしまって…


羽川さんにしろ、撫子ちゃんにしろ、恋の病で一体何人の女の子を壊せば気が済むのでしょうか、阿良々木くんは…

撫子ちゃんの前髪のこと、一人称が「撫子」なことにキャラ付け以上の意味を持たせて、そしてそこを掘り下げ!ある意味でコンプレックス、自分の定義に話が持って行かれていたりします。


コンプレックス話が好きかつ、私自身コンプレックスの塊であるため非常に感情移入しやすい作品ではありました。

そして思うことは…ここはただの私の感想、妄想、そしてこうだったらいいなっていう、希望ですが、なんだかんだ理由を付け、考え、悩んだけど、撫子ちゃんは本当に阿良々木くんのこと、好きだったんではないかなって

楽だからって理由もあったし、というかそれが異議申し立てするのはあれだけども、
だからこそ、嫉妬して、苦しくて、悩んでもがいて抜け出そうとしたんじゃないかなぁ

なんて、自分の感情とごっちゃになりながら考えたり

まぁでも、花物語で無事大学生になった阿良々木くんを拝めたあたり、おそらく卒業式後の撫子ちゃんとの戦いでも阿良々木くんは生き残ったのでしょう。

そして、撫子ちゃんのことも最後には、救ったのでしょう

多分そうだと思います。

ここで問題になるのは扇ちゃんですよねー、あの子よく分かんない

はやくシーズンフィナーレ迎えて、扇ちゃんについて分かる日が来るのを心の底より待っています

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 趣味
感想投稿日 : 2013年2月14日
読了日 : 2013年2月14日
本棚登録日 : 2013年2月14日

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