前作で意図せずして異星人の皆殺しをしてしまったエンダーは、贖罪の旅をしながら死者の代弁者となる。事件後3000年を経過しすでに伝説の人となっているが、星間移動の影響で実年齢は35歳。死者の代弁者として呼ばれた先の惑星で、彼は先住者である知的生命体とどのように対峙するのか。
前作『エンダーのゲーム』よりこちらの方がおもしろいです。
愛する人を守るために倫理的な是非を超えあらゆる手を尽くすが、それは結局かなわずに死んでしまう。エンダーが死者の代弁をすることにより、隠されていた多くのことが明らかになり、それが最終的には生者にカタルシスをもたらす。エンダーは単なる死者の代弁者以上の役割を果たすことになるのだが、それは本人も望むところであった。
人間ではない知的生命体とのやりとりというのはSF小説にはよくある話ですが、自分とは違う価値観や在り方を相互に尊重しつつ受容するということの難しさを踏み込んで描いているという点では、単なるSF小説にとどまるものではないでしょう。ヒューゴー賞・ネビュラ賞を両方受賞しているのも納得です。
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- 感想投稿日 : 2016年5月3日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2016年4月29日
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